シヌラの分裂
大小2個のシヌラが粒子の周りにとりついているが1個は大きくなりすぎ如何にも動きにくそうだ。その内体を折るようにして粒子の裏側に隠れたと思うと3個の中小個体として再登場。たぶん粒子の裏で分裂したのでは・・。
月井雄二先生(法政大)のコメント
タイトルの「シヌラの分裂」という表現はおかしいです。これはシヌラの群体(colony)が2つに分離する様子であって,いわゆる細胞分裂ではありません。また,コメントでは,「餌となるバクテリアが沢山いるらしく」となっていますが,シヌラがバクテリアを捕食しているようには見えないのですが。
シヌラは一応,藻類なので,細胞内にある葉緑体で栄養を得ているはずです。
ただし,シヌラ類は他の仲間と同様,細胞内に藻類を共生させて進化したグループです。なので,今でも捕食する能力を持っている可能性も否定できません。
実際,渦鞭毛藻(虫)の中には,今でも捕食するものがいるようですし,オクロモナス(Ochromonas)も,葉緑体を持ちながらバクテリアも捕食します。
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
オクロモナスは,光合成と捕食(Phagocytosis)の他に,ミドリムシなどと同様に,外にある栄養分を細胞表面から浸透させて栄養を得る(Osmotrophic)こともします。なので,ミドリムシ同様,無菌培養が容易です。
しかし,私はこれまでシヌラ(あるいはこれに近いマルロモナス等)がバクテリアを食べるところを見たことはありません。実際に,シヌラがバクテリアを補食する様子を観察しているのであれば,問題はありませんが…。
採取日:2009/08/09
採取場所:広瀬川B Google Map