突然の方向転換
体 長は約100ミクロン、鞭毛虫としてはかなり大きい。一本の鞭毛は前端で激しく動かし、もう一本は後ろに長く曳きずっている。普段はゆったりと水中を遊泳 しているが、時には小判形で扁平な身体を揺さぶりながら粒子凝集体の中へ進入する。 後の鞭毛を引きずったまま、時々瞬間的に進行方向を変えるしぐさが面白い。
月井雄二先生(法政大)のコメント
この鞭毛虫の属名は アニソネマ Anisonema です。
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
この仲間は種に関する情報が少ないので,種を同定するのが困難な状態です。
多くの場合は,Anisonema acinus のはずですが,実際には細胞のサイズが
大小様々なのと,後曵鞭毛(後方に伸びた長い鞭毛)が柔軟に曲るタイプと
硬く棒のようになっているものがいます。この違いが何を意味するのか,
もしかすると別属なのかも知れませんが,今のところ情報不足でわかっていません。
拝見した動画の細胞は「体長100ミクロン」とありますので,文献に記載された
Anisonema acinusの細胞長(25-40ミクロン)と比べてかなり大きいですね。
となると,これをAnisonema acinusとするのは無理かも知れません。
当面はAnisonema sp.としておく方が無難だと思います。
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map