水田:何かを探すせん毛虫
水田から採取後、湛水4日後撮影。
比較的素早く動くせん毛虫。餌を捕らえているのか、身体の長軸の片方向にばかり移動するため、早さの割には撮影しやすかった。
月井雄二先生(法政大)のコメント
これはオキシトリカか、アンフィシエラのいずれかだと思います。
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
長い尾部棘毛がありますのでスチロニキアのようにも見えますが、
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
スチロニキアの特徴である左右対称な3本の長い尾部棘毛ではなく、左右で長さが異なる
尾部棘毛が3本以上あります。かなり長いので、その点ではアンフィシエラに一番似ています。しかし、アンフィシエラは細胞が細長いのですが、この細胞は全体に丸みがあります。その点ではオキシトリカに似ています。オキシトリカの尾部棘毛は一般に短いですが、中には結構長めのものもいます(Oxytricha lanceolataなど)。
また、細胞が方向転換する際に、わずかですが細胞体そのものが左右に曲がっています。これはオキシトリカやアンフィシエラが持つ特徴です。スチロニキアは方向転換する際、細胞体じたいは曲がりません。
尾部繊毛が長めなのと、細胞の輪郭からするとOxytricha lanceolataである可能性が一番高いですが、このグループ(オキシトリカ科, Oxytrichidae)には、他にも様々な種が知られていますので、もしかすると、アンフィシエラ、オキシトリカのいずれでもない種類である可能性も残されています。
正確に分類するには、細胞を培養して、固定・染色して棘毛列の様子を調べる必要があります。
採取日:2006/11/17
採取場所:鹿島台水田 Google Map