水田:ビニール袋のような生き物
水田から採取後、寒天上で数日放置。
透明なビニール袋に粒子が入っているかのような奇妙な生き物を見つけた。
原生生物は人間の基準からすれば皆奇妙な形態だが、その中でも珍しいように思える。
月井雄二先生(法政大)のコメント
何者かが20〜30μmほどの厚さの透明なゲルに包まれています。そして、動画のスタートから4秒後付近でその左半分が収縮します。収縮した物体が1個の細胞だとすると、輪郭はツリガネムシに似ています。左が口で右が柄についている部分と見えなくもありません。
ツリガネムシと断定はできませんが、もしかすると環境が悪化したために、自らを保護するゲルを分泌してその中で我が身を守ろうとしているのかも知れませんね。
私はツリガネムシがこのような状態になったところを見たことはありませんが、野外採集でよく見かけるのはミドリムシです。ミドリムシの細胞は、通常は、紡錘形、ないし、筒状ですが、環境が悪化するとボールのように丸まり、ときにこの動画のようにゲルを分泌してその中でジッとして動かなくなります。秋になるとこのような状態のミドリムシをよく見かけます。
採取日:2006/10/16
採取場所:鹿島台水田 Google Map