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珍しい大型繊毛虫

この巨大な細長い繊毛虫の体は扁平で、前後が細くなっています。体前半には黒い細粒がびっしりつまり、後半は透明で色々の構造が見えます。柔らかい体をリボンのようにくねらせて速く動きます。先端がやや斜めに切れているようにも見えます。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これはスパチヂウム(Spathidium)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

その根拠は細胞先端に口があり,それがやや斜めになっている点です。

口部域が細胞の側方にまで広がると別の属になりますが, 先端部にとどまっている場合は,スパチヂウム属の仲間と判断されます。

手持ちの文献の中で,繊毛虫についてもっとも詳しく紹介しているのが, 1931年に刊行された Kahl の Wimertiere oder Ciliata (Infusoria) なのですが,ここに掲載されたたくさんのスパチヂウム属のスケッチと 比較すると,一番似ているのは,Spathidium vermiforme (Penard) (p.160 - p.162)でした。

細胞長は 200 〜400μmとなっていますので,サイズもおおよそ一致する のではないかと思います。

採取日:2009/10/18

採取場所:広瀬川A  Google Map

大型繊毛虫の不思議な動き

身体を伸ばすと300μ以上、丸めると円形200μ、粒子の傍で柔軟に伸縮自在の動きを見せる茶褐色繊毛虫。伸長時前方は扁平で中の細粒がよく見える。身体前方を徳利状に伸ばすこともある。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これは餌をたくさん食べた後のスパチヂウム(Spathidium syrtis)です。この仲間は細胞先端部の形に特徴があります。Spathidium属にはたくさんの種が含まれますが,S. syrtisは,この属の中では大型の種です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

採取日:2009/05/27

採取場所:広瀬川A  Google Map

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