展示室 > 名称別 > ストロビリディウム あるいは ストロンビディウム
ストロビリディウム繊毛運動と捕食(1)
繊毛の動きで餌を引き寄せる 釣鐘あるいはイチゴのような形の繊毛虫、ストロビリディウム。ツリガネムシのように柄は見えないが、まるで柄があるかのように同心円に沿った動きを見せ る。餌をとる工夫は、広い口周辺に密集した繊毛を盛んに動かして、まわりに水流を作り出すこと。見ている間にも餌がポンと自然に口に飛び込んでくる。
月井雄二先生(法政大)のコメント
ストロビリディウムに似たストロンビディウムという繊毛虫がいますが,これはストロビリディウムで良いと思います(私のデータベースの方はやや混乱しています)。
「まるで柄があるかのように同心円に沿った動きを見せます。」とありますが,先日,ご紹介した Kreutz & Foissner, Protozoological Monograph, vol.3, 2006 の134頁には,細胞の後端から細い糸が出ている画像があります。
そして,コメントとしてこれが他のものに付着した状態で回転運動をする,と書かれています。
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
ストロビリディウム繊毛運動と捕食 (2)
繊毛虫ストロビリディウムを真上から見た映像。周りの粒子や、微小の原生動物の動きから、この繊毛虫が周囲に作り出している水流の激しさがよく分かる。
月井雄二先生(法政大)のコメント
これはストロビリデイウムとストロンビディウムのどちらでしょうか?
他の動画と同様,断定できません。
Strobilidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
Strombidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
捕食作戦を邪魔されて
粒子の間にじっと潜ミ餌を狙うプレウロネマだが、外からストロビリデイウムが忙しく何度も飛び込んできて追い出されてしまう。背景には「ミカヅキモ」と呼ばれる大きな藻類クロステリウムが見える。
月井雄二先生(法政大)のコメント
プレウロネマに関しては,Pleuronema marinum だと判定できます。
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
「ストロビリディウム」については,他の動画と同様,断定できません。
Strobilidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
Strombidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
ストロビリデイウムのペア
愛嬌のあるイチゴ型繊毛虫ストロビリデイウムが向かい合っている画面。二匹が繊毛を盛んに動かして作り出す水流に、珪藻を除く小さい鞭毛虫たちは自由な泳ぎもままならない。シヌラもいっとき両者の間で動けなくなる。
月井雄二先生(法政大)のコメント
これはストロビリデイウムとストロンビディウムのどちらでしょうか?
他の動画と同様,断定できません。
Strobilidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
Strombidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
ストロビリデイウムの接合?
2 匹のストロビリデイウムが連結している。上方向から見ると両細胞の隔壁が殆ど見えない時期もあり、横方向からみると、2匹の口部分をつなげるように透明な 膜構造が見られる。2匹は接合中なのだろうか?4分という長い経過を経て、最後は動き過ぎ、また粒子にぶつかったためなのか、突然細胞がこわれはじめ、内 容物が周囲に散乱して、折角の努力もむなしく命を終える。
月井雄二先生(法政大)のコメント
接合中のものに間違いないと思います。
最後に,はげしく動いた際に,周囲の何かにぶつかって細胞膜が
破れてしまったようですね。残念でした。
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
沢山の元気な微生物たち
画面には、コレプス、ストロビリデイウム、ユーグレナが次々と登場、珪藻も、小さな鞭毛虫たちも盛んに泳いでいる。肉眼で見えない世界も、色々な微生物たちの活動の場だ。
月井雄二先生(法政大)のコメント
ストロビリデイウムについては他の動画と同様,断定できません。
Strobilidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
Strombidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
ユーグレナについては,このような形のものには似た種類がたくさん
いるため,種までは同定できません。
コレプスはおそらく Coleps hirtusです。
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
ストロビリデイウム繊毛の動き(1)
口の周りの繊毛を 忙しく回転させるストロビリデイウム。体内には沢山の餌を貯め込んでいるのに、まだ飽き足らず餌を探しているのだろうか?
月井雄二先生(法政大)のコメント
他の動画と同様,ストロビリデイウムとストロンビディウムのどちらか断定できません。
この動画では,下記の動画「突起のあるストロビリデイウム」にあるのと同様,
細胞の中央付近から横に向かって後端部にあるのと似た突起が出ています。
突起のあるストロビリデイウム
https://www.youtube.com/watch?v=R9s.....
これはもしかすると,細胞が分裂する前段階なのかも知れません。
繊毛虫ですから,横分裂するはずですが,繊毛虫の中にはかなり特殊化した
細胞分裂をするものもいます(吸管虫など)。
ストロビリデイウム?の後端部には棒状構造がリング状に並んだものが
ありますので,分裂の際にはそれをあらかじめ作ってから横分裂に入る
のかも知れません。
残念ながら,私はストロビリデイウム?の分裂を観察したことがありませんし,
手元にストロビリデイウム?の分裂を紹介した文献もありません。
よって今のところは推測の域を出ません。
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
ストロンビデイウム繊毛の動き(2)
真横からみたストロンビデイウム。口の周りの繊毛の動きがよく見える。
月井雄二先生(法政大)のコメント
これはストロビリデイウムとストロンビディウムのどちらでしょうか?
他の動画と同様,断定できません。
Strobilidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
Strombidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
狩りをする大小二つの繊毛虫
ステイロニキアとストロビリデイウム。両方とも口の周りの繊毛を動かし、水流をおこして餌の到来を待つ作戦は同じ。しばらく口を近くに寄せ合っているが、これでは効率が悪いと見たのか、今度は向きを変え、最後は思い思いの場所へ移動する。
月井雄二先生(法政大)のコメント
これはストロビリデイウムとストロンビディウムのどちらでしょうか?
他の動画と同様,断定できません。
Strobilidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
Strombidium
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
踊って、食べて、踊って
体長約100ミクロン、イチゴのように面白い形の繊毛虫。口の周りの繊毛を激しく動かし、渦のような水流を発生させると、獲物はその渦に吸い込まれ、口の中 へ飛び込んでくる。飛び込んだ獲物が身体の奥へ移動する様子も見られる。面白いのは、この激しい渦に攪乱され、繊毛虫から離れられず、口の外側で踊り始め るミドリムシ。餌を捕まえる繊毛虫の見事な工夫がよく分かる。
月井雄二先生(法政大)のコメント
繊毛虫の属名は ストロンビディウム Strombidium か,ストロビリディウム Strobilidium です。
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
両者はよく似ています。先端部にある「周口小膜域の小膜の輪が連続している」のが
ストロビリディウムで,ストロンビディウムは繋がっていない(両端が後方へ向かう)
のが特徴とされます。
動画では,周口小膜域の様子を識別するのはかなり難しいです。
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
あちこちに場所を変え
一箇所に停止し、口の周りの繊毛を動かしながら餌を捉えるストロビリディウムの仲間。時々場所を変えては餌をねらう。柄はないが、粒子などにくっついて定位置を保つ。体の後ろには透明な液胞があり時々収縮するのが見える。
月井雄二先生(法政大)のコメント
繊毛虫の属名は ストロンビディウム Strombidium か,ストロビリディウム Strobilidium です。
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
両者はよく似ています。先端部にある「周口小膜域の小膜の輪が連続している」のが
ストロビリディウムで,ストロンビディウムは繋がっていない(両端が後方へ向かう)
のが特徴とされます。動画では,周口小膜域の様子を識別するのはかなり難しいです。)
コメントに「体の後ろには透明な液胞があり」とありますが,このような構造を収縮胞(contractile vacuole)と云います。
採取日:2009/07/03
採取場所:広瀬川B Google Map
ストロンビディウムの繊毛に撥ね飛ばされる小生物
ストロンビデイウムを上から写した画面です。口の周りの激しい繊毛の動きで、周りから接近する小生物は次々撥ね飛ばされてしまいます。
月井雄二先生(法政大)のコメント
ストロンビディウム(Strombidium)の可能性もあるとは思いますが,
ストロンビディウム(Strombidium)によく似たストロビリディウム(Strobilidium)である
可能性もあります。
両者は細胞先端にある刺毛列が閉じている(円形,Strombilidium)か,
閉じずに片方の端が細胞の後方に向かっているかの違いで区別されます。
しかし,これは細胞が止まったところを横から観察しないとわかりません。
細胞が球形である特徴を基に手持ちの文献を探すと,
Strombidiumで球形のものは見当たりませんでしたが,
Strobilidiumの一部に球形のものがいました。
Strobilidium elegans という種です。
採取日:2009/10/18
採取場所:広瀬川A Google Map
突起のあるストロビリデイウム
ストロビリデイウムの拡大画像と縮小画像。体の横に普通は見えない大きな突起が目立っていますが何なのでしょうか?
月井雄二先生(法政大)のコメント
タイトルではストロビリデイウムとなっていますが,これはストロンビディウム
の可能性が高いと思います。
似た仲間
ストロビリデイウム(Strobilidium) 口部域を囲む棘毛列の一端が下へ伸びる
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
ストロンビディウム(Strombidium) 口部域を囲む棘毛列は閉じている(円)
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
ストロビディノプシス(Strombidinopsis) ??
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
なのですが,動画からは口部域がどうなっているか,よくわかりません。
しかし,細胞後端部の形に特徴があります。
尖っていることです。また,後端部近くの細胞内に棒状の構造がみられますが,
これはストロンビディウム属に多くみられる特徴です。
また,これは Kahl の Wimertiere oder Ciliata (Infusoria)の p.490 に
掲載されていたのですが,
小さく描かれたStrombidium sulcatum という種の接合の様子を見ると,
2つの細胞のそれぞれに小さな突起が描かれています。
他にも突起が描かれた図があります(ただし,形はこの動画のものと異なります)。
あらためて動画を見てみると,突起の内部には先端に向かってリング状に
並んだ棒状の構造が多数認められます。
そして,その形は,細胞後端部の突起ともよく似ています。
私はストロンビディウムの分裂や接合を見たことがないので,これ以上の
ことはわかりませんが,なにか細胞内にある棒状構造と関連した変化なの
かも知れません。
採取日:2009/10/18
採取場所:広瀬川A Google Map