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スティロニキア?

粒子の周りや間隙を盛んに動き回り餌を探す様子の繊毛虫。体前後の棘毛からステイロニキアの仲間と思われる。


月井雄二先生(法政大)のコメント
タイトルには「スティロニキア?」とありますが,これはスティロニキアではなく オキシトリカ,ないしはその近縁種です。

スティロニキアは,細胞体が硬く変形しにくいのが特徴です。そのため,細胞が左右に方向転換する際,細胞は変形せずに向きだけが変わります。なお,既述しましたが,後端部に3本の長い尾部棘毛を持つのも特徴です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

一方,オキシトリカは細胞体が柔らかく,左右に方向転換する際,細胞体じたいが 横に曲ります。また,腹側の左右縁に1列に並んだ棘毛が先端から後端まで続いてい るのも特徴とされます。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

ただし,オキシトリカには似た種類が多いのと,この動画では,左右縁にある棘毛列が先端から後端まで続いているかがハッキリしません。中間部には無いようにも見えます。

とすると,オキシトリカではない可能性もあります。

その場合でも,スティロニキアでないことだけは確かです。

採取日:2009/07/03

採取場所:広瀬川B  Google Map

分裂初期の繊毛虫?

水田から採取後、DNB寒天(薄めた肉汁を寒天で固めたもの)上で4日間放置後、観察。

少しくびれているように見えるので分裂の途上かもしれない。動きはあるものの、珍しく大きく位置を変えないので撮影しやすかった。

Video:1/2(この動画)

https://www.youtube.com/watch?v=osd.....

Video:2/2

https://www.youtube.com/watch?v=mNJ.....


月井雄二先生(法政大)のコメント
これは繊毛虫の1グループ,棘毛目(アンフィシエラ目)の一種です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/taxono.....

 (注:日本語) このグループにはたくさんの種がいます。種を同定するには特殊な方法で棘毛(cirri)を染色して,その数,並び方などを調べる必要があります。

この動画に写っている細胞をよく見ると,どうやら分裂途中のようです。なぜなら,口部域が前と中央付近に2つあるように見えるからです。また,細胞の中央にわずかなくびれがありますが,これは分裂前の段階で,このあと,くびれが深くなって2細胞に分かれるのでしょう。

採取日:2006/09/22

採取場所:鹿島台水田  Google Map

分裂しかけの繊毛虫

水田から採取後、DNB寒天(薄めた肉汁を寒天で固めたもの)上で4日間放置後、観察。

はっきりとくびれている。動きはあるものの、珍しくあまり位置を変えないので撮影しやすかった。

Video:1/2

https://www.youtube.com/watch?v=osd.....

Video:2/2(この動画)

https://www.youtube.com/watch?v=mNJ.....


月井雄二先生(法政大)のコメント
これは繊毛虫,棘毛目(アンフィシエラ目)の一種で,見たとおり分裂中のものです。

http://protist.i.hosei.ac.jp/taxono.....

周囲にいる細胞も同じ種類のようですが,細胞が方向転換する際,細胞の先端部が曲りますので,オキシトリカ科オキシトリカ属の一種ではないかと思います。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

ただし,Helmut Berger, Monograph of the Oxytrichidae (Ciliophora, Hypotrichia), Kluwer Academic Publishers, 1999によるとオキシトリカ属には113種が含まれ,似た種がたくさんいますので種を同定するのは無理です。

採取日:2006/09/22

採取場所:鹿島台水田  Google Map

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