展示室 > 名称別 > トラケロモナス
茶褐色の殻に包まれた鞭毛虫
円形褐色鞭毛虫が1本の長い鞭毛を振りたてて泳ぎ回っていますがやがて、粒子の脇に停止し、鞭毛だけを活発に動かしています。やや硬い殻に囲まれトラケロモナスの仲間でしょうか?
月井雄二先生(法政大)のコメント
これは殻を持つミドリムシ,トラケロモナス(カラヒゲムシ,Trachelomonas)です。
http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....
種については,殻の表面の様子が今ひとつはっきりしないので断定はできませんが,,,。
表面が滑らかであれば Trachelomonas oblongaです。
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表面がザラザラ(顆粒状)であればTrachelomonas granulosa,ないしは,
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Trachelomonas intermedia です。
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おそらく,Trachelomonas oblonga でしょう。
採取日:2009/10/18
採取場所:広瀬川A Google Map
水田の緑の球形生物
視野に突然飛び込んできた緑の球形生物。凝集物に付着するともう動かない。粘液のようなものが出ているようにも思えるが気のせいだろうか?
月井雄二先生(法政大)のコメント
写っている楕円体のものは,外形が変化しないので殻に入っていると思われます。その内部は全体が緑色で,一部に若干赤味を帯びた部分があります。緑色は葉緑体,赤い部分は眼点です。おそらくトラケロモナス(Trachelomonas)の一種でしょう。
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殻長が約25μm,殻(lorica)は球に近い楕円体であり,表面は滑らか,襟状の突起(collar)がないことから Trachelomonas dybowskii の可能性が高いといえます。
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採取日:2006/08/17
採取場所:鹿島台水田 Google Map
水田で採取した緑の生物
水田から採取したトゲに覆われたような緑の生き物。動きが早く、短時間しか撮影できなかった。
月井雄二先生(法政大)のコメント
これは殻を持つミドリムシの仲間,Trachelomonas crispa か,それに極めて近い種です。Trachelomonas crispaは,殻全体に短い棘があります。先端(開口部)に襟(collar)はなく,替わりにやや長い棘があります。後端部は序々に狭まり尖ります。この動画のTrachelomonasは,後端部がやや急に狭まっていますので,その点のみが他のTrachelomonas crispaと異なります。しかし,これくらいなら種内変異としてよいのかも知れません。
しかし,私自身,まだたくさんのTrachelomonas crispa を観察していませんので,これが種内変異なのか,それとも別種として扱うべきなのかは判断がつきません。
同じサンプル中にたくさんのTrachelomonas crispa がいて,後端部の形に様々な変異があり,その中にこの動画と同じような変異があれば,これもTrachelomonas crispaの種内変異と考えられます。しかし,いくら探してもTrachelomonas crispaにそのような変異がなければ,この動画のTrachelomonasは別種として扱った方がよいことになります。
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採取日:2006/08/17
採取場所:鹿島台水田 Google Map
水田の珪藻と周りのバクテリア
水田から採取後、DNB寒天(薄めた肉汁を寒天で固めたもの)上で4日間放置後、観察。
分裂しているようにも見える珪藻。気のせいか、その周囲にバクテリアが集まっているようにも見える。
月井雄二先生(法政大)のコメント
これはハネケイソウ(Pinnularia)の一種です。
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分裂中かどうかはこの動画からはわかりません。やや斜めになって動いているので,左右にある模様のない横の面(帯面,girdle face)の両面が見えている状態だと思います。周囲でさかんに泳いでいるのは,トラケロモナス(Trachelomonas)の一種,Trachelomonas volvocina です。
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採取日:2006/09/22
採取場所:鹿島台水田 Google Map
水田のナベカムリ
水田から採取後、DNB寒天(薄めた肉汁を寒天で固めたもの)上で4日間、光を遮り放置した後観察。有殻アメーバのナベカムリが仮足を伸ばし移動しているのを観察した。途中(2:13)、緑色の原生生物を捕食するが、肝心の部分がファイルの入れ替えを行ったため、撮影できていない。動きの素早さでは劣るナベカムリが、素早く動く生き物たちをとらえるのは興味深い。
月井雄二先生(法政大)のコメント
この動画の主役は,円盤状の殻を持ち,やや太めの仮足を出しています。これらの特徴からアルケラ(ナベカムリ,Arcella)の一種であることがわかります。
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殻の高さがかなりあり,部分的に窪んでいるように見えますので,おそらくArcella gibbosaでしょう。
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ただし,殻の窪みが明瞭でないのでArcella vulgarisである可能性も否定はできません。
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途中で現れる緑色の生物は繊毛虫ではなく,ミドリムシの仲間,トラケロモナス(カラヒゲムシ,Trachelomonas)です。殻を持っているのと,その独特の動きからトラケロモナスであることがわかります。内部に赤い眼点があるのもトラケロモナスの特徴です。トラケロモナスの殻は時間がたつと赤茶色になりますが,新しいものはほぼ透明です。この細胞は透明な殻をもっていますので,比較的最近,分裂して新しい殻に収まったのでしょう。
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種としては,Trachelomonas crispaかも知れません。しかし,T. crispaに比べて殻の表面から出る棘が明瞭でないのが気になります。とくに,T. crispaは鞭毛が出る開口部付近の棘が長いのですが,この動画ではその辺が確認できません。
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トラケロモナスに近いストロンボモナス(Strombomonas)の可能性もありますが,後者は鞭毛の出口が,トラケロモナスのような襟状ではなく,より細長い首状をしているのが特徴なので,ストロンボモナスよりはトラケロモナスに近いはずです。
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採取日:2006/09/22
採取場所:鹿島台水田 Google Map
水田のべん毛虫
水田から採取後、DNB寒天(薄めた肉汁を寒天で固めたもの)上で4日間、光を遮り放置した後観察。
緑色のトゲに覆われたような生き物を観察した。たいていは素早く動き回るのだが、この個体は、同じ場所に執着しているのか、比較的撮影しやすかった。
月井雄二先生(法政大)のコメント
これは他の動画にも出て来たTrachelomonas crispa(または,それに近い仲間)です。
Trachelomonas crispaは鞭毛が出る開口部付近の棘が長いのが特徴の一つですが,この動画では,棘がかなり変型しているように見えます。周囲にある砂粒などで痛んでしまったのではないかと思います。
採取日:2006/09/22
採取場所:鹿島台水田 Google Map