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シヌラの旅

狭い粒子の隙間から出て次の粒子へと移動するシヌラ。約10数個の鞭毛藻の群体。長い鞭毛がよく見える。群体の中の一細胞は増殖のため二つに割れているのだろうか?


月井雄二先生(法政大)のコメント
「群体の中の一細胞は増殖のため二つに割れているのだろうか?」 とありますが,これは2つに割れているのではなく,もともとシヌラやマルロモナス などは細胞の側面に2つの葉緑体が向かい合って配置されています。おそらくその2 つの葉緑体が写っているものと思われます。

なんらかの原因で,この細胞は死んでしまい,現在は,細胞が分解していく途中段階 で,まだ2つの葉緑体が残っているように見えます。しかし,分裂の途中である可能 性も否定はできません。シヌラは縦分裂をしますが,よく見ると,葉緑体の周囲にあ る細胞質部分も先端部がややくびれています。これは分裂の始まりなのかも知れませ ん。

私はシヌラ細胞の分裂を詳しく観察したことがありませんので,分裂の途中なのか, それともやはり,死んだ細胞が外へ出された,あるいは,何かにぶつかるなど外部か らの作用で群体の一部が外へ飛び出してしまっただけなのかはわかりません。

また,シヌラはバラバラになると単細胞で暮らすマルロモナスと区別がつきません。

群体の他に似た形の単細胞のものも写っていますが,これは群体から外れたシヌラで ある可能性が高いですが,まったく別のマルロモナスである可能性も排除できません。

採取日:2009/07/03

採取場所:広瀬川B  Google Map

元気に泳ぐ微生物たち

粒子に囲まれた空間を元気に回転しながら泳ぐ鞭毛藻の群体シヌラ。一つ一つの粒子表面には藍藻はじめ無数の微生物のバイオフィルムが発達しているのがよくわかる。シヌラにとっても、他の原生動物にとっても、ここは食物に恵まれた豊かな環境だろう。


月井雄二先生(法政大)のコメント
途中,画面の左側に現れる小さな青色の平板状の群体は,藍藻の一種, メリスモペディア(Merismopedia)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

コメントには,「微生物のバイオフィルムが発達している」とありますが, バイオフィルムという場合は,たくさんの細胞がいて,細胞自身が分泌したゲル状の 層(細胞外多糖)に埋った状態をいうはずです。

この動画ではそのような状態には達していないように見えます。

腐食質がたくさんあるのは確かですが。

採取日:2009/07/03

採取場所:広瀬川B  Google Map

シヌラの分裂?

画 面中央の大きな粒子表面には餌となるバクテリアが沢山いるらしく、鞭毛藻の群体シヌラも沢山集まってくる。餌を食べて分裂を繰り返し、大きくなり過ぎたシ ヌラは、どうやら動きが不自由のようで、粒子の背後に隠れたとき二つに分かれたのかも知れない。最初は大小1個づつだったのが、最後は、最初より短くなっ たシヌラと、ごく小さいシヌラの2個体の合計3個体となている。


月井雄二先生(法政大)のコメント
タイトルの「シヌラの分裂」という表現はおかしいです。

これはシヌラの群体(colony)が2つに分離する様子であって, いわゆる細胞分裂ではありません。

また,コメントでは,「餌となるバクテリアが沢山いるらしく」となって いますが,シヌラがバクテリアを捕食しているようには見えないのですが。

シヌラは一応,藻類なので,細胞内にある葉緑体で栄養を得ているはずです。

ただし,シヌラ類は他の仲間と同様,細胞内に藻類を共生させて進化した グループです。なので,今でも捕食する能力を持っている可能性も否定できません。

実際,渦鞭毛藻(虫)の中には,今でも捕食するものがいるようですし, オクロモナス(Ochromonas)も,葉緑体を持ちながらバクテリアも捕食します。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

オクロモナスは,光合成と捕食(Phagocytosis)の他に,ミドリムシなどと 同様に,外にある栄養分を細胞表面から浸透させて栄養を得る(Osmotrophic) こともします。なので,ミドリムシ同様,無菌培養が容易です。

しかし,私はこれまでシヌラ(あるいはこれに近いマルロモナス等)が バクテリアを食べるところを見たことはありません。

実際に,シヌラがバクテリアを補食する様子を観察しているのであれば, 問題はありませんが…

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

分裂して長くなるシヌラ

画 面中央の大きな粒子表面は、どうやらシヌラをはじめ沢山の原生動物の豊富な餌場であるようだ。鞭毛藻群体シヌラも次々ここを訪れる。中には粒子に張り付い ているうちに一個一個の鞭毛虫が分裂を繰り返し、画面のようにとても長くなるシヌラも見られる。この長いシヌラと粒子の間に潜り込んで、他の鞭毛虫たちも 捕食に余念がない。


月井雄二先生(法政大)のコメント
コメントでは,「粒子に張り付いているうちに,一個一個の鞭毛虫が分裂を繰り返し」 とありますが,実際にそのような様子を観察したのでしょうか? この動画を見るかぎりでは細胞分裂をしているものは見当たりません。

普通,細胞分裂は早くても30分程度,遅いものになると数時間かけて完了します。なのでこの動画の継続時間では,分裂の途中のものがわずかに見える程度のはずですが,それらしいものも見つかりません。

また,前段に「大きな粒子表面は・・・沢山の原生動物の豊富な餌場であるようだ」とあり,最後には「他の鞭毛虫たちも捕食に余念がない。」と書かれていますが,そのような証拠はないと思います。たしかに色々な小型の原生生物がこの粒子にぶつかっていますが,これはたんにぶつかっているだけで,バクテリアを捕食しているのではありません。

小型の原生生物の多くは,光合成をするか,あるいは,ミドリムシなどと同様,細胞表面から周囲にある可溶性の栄養分を吸収して生育する浸透栄養(osmotrophy)で生きています。

動画の後半は倍率が上がっていますが,この程度の倍率であれば,バクテリアがいれば小さな点として写るはずです。画面を見るかぎり,そのようなものは写っていませんので,バクテリアを食べているのではないといえます。

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

シヌラの分裂

大小2個のシヌラが粒子の周りにとりついているが1個は大きくなりすぎ如何にも動きにくそうだ。その内体を折るようにして粒子の裏側に隠れたと思うと3個の中小個体として再登場。たぶん粒子の裏で分裂したのでは・・。


月井雄二先生(法政大)のコメント
タイトルの「シヌラの分裂」という表現はおかしいです。これはシヌラの群体(colony)が2つに分離する様子であって,いわゆる細胞分裂ではありません。また,コメントでは,「餌となるバクテリアが沢山いるらしく」となっていますが,シヌラがバクテリアを捕食しているようには見えないのですが。

シヌラは一応,藻類なので,細胞内にある葉緑体で栄養を得ているはずです。

ただし,シヌラ類は他の仲間と同様,細胞内に藻類を共生させて進化したグループです。なので,今でも捕食する能力を持っている可能性も否定できません。

実際,渦鞭毛藻(虫)の中には,今でも捕食するものがいるようですし,オクロモナス(Ochromonas)も,葉緑体を持ちながらバクテリアも捕食します。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

オクロモナスは,光合成と捕食(Phagocytosis)の他に,ミドリムシなどと同様に,外にある栄養分を細胞表面から浸透させて栄養を得る(Osmotrophic)こともします。なので,ミドリムシ同様,無菌培養が容易です。

しかし,私はこれまでシヌラ(あるいはこれに近いマルロモナス等)がバクテリアを食べるところを見たことはありません。実際に,シヌラがバクテリアを補食する様子を観察しているのであれば,問題はありませんが…。

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

増殖分裂を繰り返すシヌラ(鞭毛藻群体)

餌 の豊富な大きい粒子に大小のシヌラ(鞭毛藻群体)が群れています。 その中の一個の群体の個体の数が増えていき、身体が長く大きくなっていきます。大きい群体中では、一個一個が平等に餌をとるために身体を苦労して回転させ たりしています。 その内巨大になった群体が身体を折り曲げ、粒子の後ろに隠れたかと思うと、小さな2個の群体が現れます。群体は餌を食べて生長しながら、適当に分裂してい るのかも知れません。


月井雄二先生(法政大)のコメント
シヌラ(Synura)は,黄金色藻に含まれますので,基本的に光合成で増殖します。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

実際,私自身もシヌラがバクテリアなどの餌を捕食している場面に遭遇したことはありませんし,細胞内に食胞らしきものはまったく見えません。大きな黒い粒子を「餌の豊富な」と表現していますが,これは適当な表現ではないと思います。

また,タイトルには「増殖分裂を繰り返す」とありますが,細胞が分裂する様子は写っていませんし,群体がちぎれる(分離する)様子もありません。よって増殖という表現は適切ではないです。

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

粒子まわりで捕食するシヌラ

時に回転し時に粒子表面に張り付くように移動する一個のシヌラ


月井雄二先生(法政大)のコメント
シヌラ(Synura)は藻類なので「捕食」という表現は適切ではありません。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

旅の終わりに崩壊する群体シヌラ

時 々定位置ですごい勢いで回転してはまた、粒子表面に沿って移動する褐色鞭毛藻群体シヌラ。拡大画面では、長い鞭毛が揺れる様が観察されます。群体は球形で すが、細胞が何個か飛び出しいびつに見えることもあります。そのうち水面の境界に接近し移動を止めますが、やがて体の内容物がどんどん外へ出始めます。鞭 毛の動きもなくなり、群体全体が委縮し矮小化すると思うと最後に崩壊し、個々の鞭毛虫がバラバラに離散してしまいます。


月井雄二先生(法政大)のコメント
とくにコメントすることはありません。

シヌラ属は,電子顕微鏡を使わないと見えない鱗片の模様の違いで 種を区別しています。そのため,光学顕微鏡で種が同定できるのは 鱗片以外に何らかの特徴があるごく一部に限られています。

採取日:2009/10/18

採取場所:広瀬川A  Google Map