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ナベカムリ

ナベカムリ(有殻アメーバーの一種)。しばらく観察したが、全く動かなかった。


月井雄二先生(法政大)のコメント
普通,ナベカムリ(Arcella)の殻の表面は滑らかですが,この動画に写っている殻には色々な顆粒が付着しているように見えます。すでに死んでしまって殻だけになったのか,あるいは,なんらかの原因で顆粒が付着してしまったのかも知れません。

また,若干ですが,開口部(pseudostome)の位置が殻の中心からずれているようにも見えます(錯覚かも知れませんが)。ずれているとArcellaではなく,他の有殻アメーバの可能性が高くなります。

採取日:2009/07/03

採取場所:広瀬川B  Google Map

巨大アメーバに運ばれて動く粒子たち

糸 のような偽足を沢山伸ばし、背中に粒子を背負ったアメーバ。やがて3個の粒子を手繰り寄せ偽足は別の方角から伸びてくる。アメーバ本体はどこにいるのだろ う? シヌラを避けるように偽足を縮めたアメーバは、やがて別の方向に偽足を伸ばし動き出す。新たな粒子も加わり、さながら大艦隊の移動風景だ。


月井雄二先生(法政大)のコメント
最初に現れたアメーバは他の動画にも出て来たベキシリフェラ(Vexillifera)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

途中から現れる黒い顆粒状のもので覆われた殻に入ったものはおそらくディアフォロドン(Diaphoropodon)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

おそらく,とした理由は,ディアフォロドンは,殻の表面から極細の棘状の突起を多数出しているのですが,この動画の倍率と解像度では観察不能なためです。とはいえ,このような形の糸状仮足をもつ有殻アメーバは,私が知るかぎりディアフォロドン以外にないので,まず間違いないはずです。

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

二つのアメーバの出会い1

次々飛び込んでくる獲物を偽足で囲んで体内に運ぶ食欲旺盛なアメーバ。ふと見ると隣には細い糸状偽足を無数に伸ばした巨大アメーバが出現


月井雄二先生(法政大)のコメント
最初に登場するのは,ベキシリフェラ(Vexillifera)か,あるいは,浮遊しているバネラ(Vannella)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

途中から現れたのは,さきほどと同様,おそらくディアフォロドン(Diaphoropodon)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

おそらく,とした理由は,ディアフォロドンは,殻の表面から極細の棘状の突起を多数出しているのですが,この動画の倍率と解像度では観察不能なためです。とはいえ,このような形の糸状仮足をもつ有殻アメーバは,私が知るかぎりディアフォロドン以外にないので,まず間違いないはずです。

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

二つのアメーバの出会い2

形も大きさも違う2種のアメーバは互いに近づき、偽足を接触させるが、やがて夫々の方向へ分かれて進みだす。


月井雄二先生(法政大)のコメント
上は,ベキシリフェラ(Vexillifera)か,あるいは浮遊しているバネラ(Vannella)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

下の黒い顆粒状のもので覆われた殻に入ったものは,おそらくディアフォロドン(Diaphoropodon)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

おそらく,とした理由は,ディアフォロドンは,殻の表面から極細の棘状の突起を多数出しているのですが,この動画の倍率と解像度では観察不能なためです。とはいえ,このような形の糸状仮足をもつ有殻アメーバは,私が知るかぎりディアフォロドン以外にないので,まず間違いないはずです。

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

滑るように動くアメーバ

中心はやや硬く、周縁は柔らかく透明なアメーバ。滑る動きで偽足は目立たない。体の後ろから食物を吐き出す。細胞内に様々な顆粒を蓄え、滑る動きに伴い体内に入れていく。珪藻が入りそうになるが逃げ去った。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これは有殻アメーバの一種,コクリオポディウム(Cochliopodium)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

皿を逆さにしたような殻があるのですが,薄く透明なので通常の観察ではわかりません。

細胞が基質から離れて浮遊し,横向きになると,その殻を観察することができます。

例:

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

採取日:2009/08/09

採取場所:広瀬川B  Google Map

水田:ナベカムリの殻

水田から採取後、寒天上で数日放置。色と形が特徴的なナベカムリの殻。どうやら殻の主はいなくなったようだ。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これは有殻アメーバの一種、ナベカムリ(Arcella)の殻を底面から見たものです。種名を判断するには、殻を横から見た画像が必要です。殻の直径と殻の高さの比、殻の直径と開口部(pseudostome)の直径の比、殻の表面の状態(滑らかな球面か、凹んでいるか)などが種を判定する手がかりになります。

この動画では、横から見た画像がないので判別は難しいですが、若干あちこちが凹んでいるように見えますので、可能性が一番高いのは Arcella gibbosa です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

採取日:2006/10/16

採取場所:鹿島台水田  Google Map

水田のナベカムリ

水田から採取後、DNB寒天(薄めた肉汁を寒天で固めたもの)上で4日間、光を遮り放置した後観察。有殻アメーバのナベカムリが仮足を伸ばし移動しているのを観察した。途中(2:13)、緑色の原生生物を捕食するが、肝心の部分がファイルの入れ替えを行ったため、撮影できていない。動きの素早さでは劣るナベカムリが、素早く動く生き物たちをとらえるのは興味深い。


月井雄二先生(法政大)のコメント
この動画の主役は,円盤状の殻を持ち,やや太めの仮足を出しています。これらの特徴からアルケラ(ナベカムリ,Arcella)の一種であることがわかります。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

殻の高さがかなりあり,部分的に窪んでいるように見えますので,おそらくArcella gibbosaでしょう。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

ただし,殻の窪みが明瞭でないのでArcella vulgarisである可能性も否定はできません。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

途中で現れる緑色の生物は繊毛虫ではなく,ミドリムシの仲間,トラケロモナス(カラヒゲムシ,Trachelomonas)です。殻を持っているのと,その独特の動きからトラケロモナスであることがわかります。内部に赤い眼点があるのもトラケロモナスの特徴です。トラケロモナスの殻は時間がたつと赤茶色になりますが,新しいものはほぼ透明です。この細胞は透明な殻をもっていますので,比較的最近,分裂して新しい殻に収まったのでしょう。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

種としては,Trachelomonas crispaかも知れません。しかし,T. crispaに比べて殻の表面から出る棘が明瞭でないのが気になります。とくに,T. crispaは鞭毛が出る開口部付近の棘が長いのですが,この動画ではその辺が確認できません。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

トラケロモナスに近いストロンボモナス(Strombomonas)の可能性もありますが,後者は鞭毛の出口が,トラケロモナスのような襟状ではなく,より細長い首状をしているのが特徴なので,ストロンボモナスよりはトラケロモナスに近いはずです。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

採取日:2006/09/22

採取場所:鹿島台水田  Google Map

ナベカムリの殻

水田から採取後、DNB寒天(薄めた肉汁を寒天で固めたもの)上で4日間、光を遮り放置した後観察。

ナベカムリを見つけたと意気込んだが、中身がなかった。彼らの分裂はどのように行われるのか、少し気になる。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これはあきらかにアルケラ(ナベカムリ,Arcella)の一種,Arcella gibbosaです。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

細胞はすでに死んで溶けており殻だけになっています。Arcella gibbosaの殻は高さがあり,表面が何箇所も窪んでいるのが特徴です。前出のArcella(

https://youtu.be/baULDPGK414

)もおそらくArcella gibbosaでしょう。

採取日:2006/09/22

採取場所:鹿島台水田  Google Map

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